きらきらしていた/吉岡ペペロ
 
きのうとしえちゃんとお話してたおまえは

ちいさな肩のちからがちょこんとしていた

まぶしそうにとしえちゃんを見つめていた

やすらかな笑みがきらきらしていた


喫茶店の二階から

ぼくは路地に目をやっていた

おまえのそんな顔見たことがなかった

よそゆきの顔?

ほんとうの顔?

としえちゃんはおまえの親戚だった

としえちゃんはぼくではない誰かだった

ぼくはいままで

世界になにを発信していたのだろう

このさきなにを発信するのだろう

かわいくてまもりたくて泣きそうになっていた

みにくいこころなんかなくなっていた


きのうとしえちゃんとお話してたおまえは

ちいさな肩のちからがちょこんとしていた

まぶしそうにとしえちゃんを見つめていた

やすらかな笑みがきらきらしていた






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