ボルカ氏の散歩/アラガイs
 
くちゃと舌で舐めながら彼はじっとそれを眺めている 。。
公園の柘植の脇から密かに見つめるわたしには、一向に気づいてはいない様子だ 。。

汗をかいたので少し喉が渇いてきた。
回転木馬の近くにある自動販売機にアイスコーヒーを買いに行く。
見つからないように、ゆっくりと慎重に、人混みに紛れて‥‥アレ!アレ?缶コーヒーを手に戻ってみると、彼の姿はもう そこにはなかった 。

ボルカ氏の行動はまったく奇妙なので、 たまに後から付いて行ってみるのだが、 いつも何処かで 見失ってしまう 。
それでも、目的地はちゃんとわかっているのだが‥。







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