調和/葉leaf
 
うものは、母が自らの孤独から精製して私の未分化の延長へと手向けたものなのかも知れないし、世界中の他人が一大同盟をなし、私の時間軸の尖端に絶えず更新されるものとして突き刺したものなのかも知れない。しかし、所詮核にすぎぬものは私をむしばむことはできない。これは核が純粋すぎるからというより、単に核が実働するための手足を持たないからである。核においては、実働のための手足が接続しうる地点同士が、その接続の権利をめぐって争っていた。孤独の核の中にはすべてが含まれていたので、核自身は何物でもなかった。ただ、現在の私の切断力によって、ゆがめられ限定されて、何物かであったように思われるのだ。
 孤独の核がどのようにして実働のための手足を獲得していったのか、私はうすっぺらい記憶を手繰って筋道の起伏を見出したいと思うのだが、記憶というものは無を追い続ける鐘の音のようなもので、しかも生命に干渉されて輪郭を溶かしていると来たものだ。私は頭脳を緊張させ重くするのだが、孤独の核と実働のための手足を獲得した孤独との間に刷り込まれた色彩を、時間軸の上にうまく載せることができない。………


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