生きる/木屋 亞万
 
生きなければならない
しかしそれは義務ではない
1が限りなく並ぶ世界で
0に限りなく近い私は
生きていなければならない
それは誰のためでもない

生きていくことに意味があるとしたら
その意味が失われていたら生きてはいけないということだ
意味がなくても生きていけている今があるから
わざわざ意味を求めてさ迷い歩く必要はない
意味に意味がないということの意味ですら
別にしっかりと握り締めていなくていい

守るべきものが目に見えないのなら
目に見えるものにしがみつく必要はない
いつ手放しても構わないのだ
触ることが出来るものはいつか
明らかに失われたものとして
私を喪
[次のページ]
戻る   Point(2)