Ten days of blue 1/4/瑠王
 
「箱」

部屋の中で降る雨
窓はもはや絵画
三角錐の頂上はそれほど高くはなく
そこはとても四角だった

誰かしらの手がきっかけで
箱は隙間を許し
本棚は本棚に
テレビは音を放ち
帰ってくる
誕生以来のレコードが割れる

未開封のペットボトルの水が外へ出たがっている
何処か、遠くの外で鳥が翔んでいる


***


「赤い壁」

夏鳥は去り
ピラミッド状に影は傾き
ナイフは肉を待ち
男は独り弦をゆるめ
老人は陶器のひびをそっと撫でる

林檎は頬を風に委ね
娼婦は桂剥きの衣装をまとい
種の行方は人知れず埋もれたまま

サイクルは同じ道を辿り
赤い壁
その全てに深い青がもたらされるまで


***


「声、行進」

全てを疑えという自分に背く日
肯定はグラスに注がれ
私は飲み干す

砂地に一筋の道は生まれ
商人達はとりどりの宝石をしまい込み
キャラバンは外へ向けて旅だってゆく






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