時のしぶき/信天翁
 
鴉のひとなきで
晩秋の弱音をはく西空
   ほんのり浮きでた梢には
       わくらばがすがりつき
   ぼんやり沈んだ北風は
       ひとの声をさがす
なのに 
   行き交うひとに濃いかげはない
たれかしらが
      白いポリ袋をぷらさげて
犬の散歩に同伴している
           ばかりで   
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