ガラス水槽の中にて/01
ち私の足元に小さな血の湖ができて、その中にまでガラスの破片が入り込んで、風が吹けば波と一緒にまた私を襲ってくるかもしれない。
傷だらけの足ではどこへも逃げられない。どこへも行けない。
傷口が化膿し、腐り、そのまま全身が乾涸びてミイラになるのを待つしかないだろう。体中に突き刺さった、ガラスと共に。
這いつくばって、私は生まれた場所へ戻る。
顔から、溶けかけてどろどろになっている球体を落として。
頭から、溶けかけてつるつるになっている球体を落として。
腐った海水の入った、井戸の中へ。
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