そら耳/
かんな
水平線に身をゆだねて眠っている
海面は揺りかごのようにゆらゆらと子守唄をうたう
水温はいくらかぬくもりを帯びてわたしを包む
羊水、とは確かにちがう
わたしと海の関係は、母と子という繋がり以上に
どこかで飽和してしまっている
貝殻に耳をすますとわたしは呼吸を止め
海のことばを聴いているふりをする
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