酔歌 - 4 / ****'04/小野 一縷
分子よ
ぼくの詩 これら 脳裏の隅に記された意識内の詩的探究を
永く永く 真新しく繰り返す その先頭 波頭を 電子的に粉砕しろ
光速 飛び散る探究の破片 無限の行方
追いついてやる 答えは一つあれば十分だ
一点 針で貫く 蒼く静かに脈打つ
血管は ルートは 円は 環は無限
そこには 正確な時間の経過が許されていない
五感をペンとして 再結晶させる この行いが
そう 言葉の意識化 ぼくの詩の行方は 感覚の結晶
その硬度と密度と重量として ここにまたこうして
一つ一つ 捧げられる ぼくの詩を ぼくが受け止める
他人に用はない
あなたの 迷妄の その全てに
この詩は 染み入って結晶し 罅を入れ
鮮やかに 黒い稲妻の疾駆 硝子粉の遥かな飛散と
黒く輝く露として文字になる
回帰
黒は黒へ 白は白 銀は銀 青は青へ
何も隔てるものは無く この詩は 還ってゆく
あなた
ぼくのいつかへ
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