思うようには、いかないもんだ/番田 
 

ブルーズスプリングスティーンのぼやくような言葉を
思い浮かべながら 公園で 菓子パンを千切っている
小学生に言葉を投げ返して
失業者なのに ゲームセンターに 入り浸りながら
応募した会社からの手紙を待ちわびている
指をくわえながら 待っている



遠くのアスファルトの剥がされる工事の声がする
私には とてもできない 作業だ
私にできることと言えば家の掃除や
エクセルの線作りや
チラシのポスティングなどといった 作業だろう
今日も部屋で 鮭を 焼きながら
そこに 焼き付く 強い光を見た
私には それは強すぎる光だったから 目を伏せた
鮭の体を焼く文明の力が そこに 働いていた



人は今日の レールに立って
知らない街を訪ね歩きながら
知らない自分を 訪ね 歩く
そこに自分がいるのか 知らないけれど
私の求める姿ではないのかもしれない


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