未浄化の為のいくつものリブート/ホロウ・シカエルボク
 



滑落の意識はすでに朦朧、自分の掌さえそうと思えない長い朝、白濁する視界に紛れ込む澱、文脈のない戯言が胡椒みたいに四散する脳漿、前頭葉から漏れ零れるものの温度は捨てられた小麦粉に潜むものの体温のようで、何度繰り返しても同じ事だし、何度投げ出したって同じ事だし、爪先の破れたスニーカー、四方八方に歩き倒したことの結果、布切れのように縫い合わすことの出来る辻褄が欲しい、だけどそれは整理の為の目印のようなもので、本当はそんなものは必要としていない、散らかった部屋をすっきりさせたいだけ、空間、空間、圧倒的な空間、空っぽであることを認識出来ないくらいの、パーフェクトに設えられた空間、本当はそんなもの
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