クズ鉄拾い/ホロウ・シカエルボク
瘡蓋の縁取りを爪で引っかいているうちに滲み始める薄い血の色みたいな目覚めだ、軋んだ脳髄は明け方の有り得ない夢の感触をリピート設定で再生して水晶体には霧のような濁りがかかる、ああ、ああ、目に映るものすべてが俺から身を隠そうとしているかのようだ、解像度が湾曲している、解像度が…それ以上の吸収を頑なに拒む胃袋みたいに…性急な速度で神経を駆け巡る信号は病んだ世界の再配列を試みようと躍起になってる稲妻みたいで俺は感電を装い痙攣してみせるが慢性的な偏頭痛持ちみたいなこの部屋の架空のオーディエンスを満足させることはついに出来なかった、だったらどうだっていうんだね…熱湯が注がれるのをくつろいだ調子
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