ハイパーリンク/竜門勇気
 
小人たちは夢をみる
浅い湖の石の上
椿の葉が幾重にも覆いかぶさった
不安の幹のたもとに辿りつくまで

爪を噛みながら
地蔵の華奢な静けさに
殴り倒されて反吐を吐き
やがてしずしず立ち上がる

まぶたに張った涙が
溢れるのを待たず
再び失望に撃たれ倒れこむ
ただそれを繰り返し朝を待つ

小人たちは夢をみる
例外なく全ての小人が
浅い湖に波はなく
永遠にとても近い時間を過ごすのだ

松の木の下
地蔵は泣いている
終わること無い暴力に絶望している

松の木の下
小人は憂いている
地蔵の冷たいほほえみの奥にある
拭うことの叶わない涙を

この救いようのない物語を
画策したのは誰だ
この惨劇にものを思わぬものは誰だ
呪われた夢の造物主よ!

無数の目がそれを見ている
無数の知覚が激烈な痛みを伴って
僕に接続されている
悲しみが諦めが恐怖が
瞬間ごとにあらわれる夢想の縁から
手を伸ばし今にも僕に触れようとしている
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