水色の風景の中に見えたものたち/番田
ビニール袋を首から提げて眠りにつく
私はとても眠かった
私は寒いアスファルトの中を 一人で歩かされていた
白い息が赤いポストに強いコントラストを作り出している
私は今日も眠い
12月の人が揺らぐ
白い道の向こう
君の顔を 手放す
雪が静かに桑田佳祐の音楽を引き連れながら降ってくる
それは行きすぎる人に様々な感情を抱かせるから素敵だ
僕の詩が誰かに何らかの意味を持つのだろうかと思うと
多分何の意味もないのだろうと思いながら 布団に潜る
昔上司だった人から 手紙がきた
あの人も失業して今は冷たい街の中をさまよい歩いている
黄色い光が今日は反射しているから楽しいだろう
誰とどんなゲームを 苦しんでいるのだろう
*
スーパーマーケットの肉売り場に立つと
こんな今日は 何もかもが乾いていて
豚肉を買うことさえ躊躇されるほどで 涙ぐむ
走り回る子供の姿も見かけなくなった
川を見ると
魚が 笑っていた
不気味なのは人間だろうか
人は どんな 体をしている
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