水色の風景の中に見えたものたち/番田 
 

ビニール袋を首から提げて眠りにつく
私はとても眠かった
私は寒いアスファルトの中を 一人で歩かされていた
白い息が赤いポストに強いコントラストを作り出している


私は今日も眠い
12月の人が揺らぐ
白い道の向こう
君の顔を 手放す


雪が静かに桑田佳祐の音楽を引き連れながら降ってくる
それは行きすぎる人に様々な感情を抱かせるから素敵だ
僕の詩が誰かに何らかの意味を持つのだろうかと思うと
多分何の意味もないのだろうと思いながら 布団に潜る


昔上司だった人から 手紙がきた
あの人も失業して今は冷たい街の中をさまよい歩いている
黄色い光が今日は反射しているから楽しいだろう
誰とどんなゲームを 苦しんでいるのだろう



スーパーマーケットの肉売り場に立つと
こんな今日は 何もかもが乾いていて
豚肉を買うことさえ躊躇されるほどで 涙ぐむ
走り回る子供の姿も見かけなくなった


川を見ると
魚が 笑っていた
不気味なのは人間だろうか
人は どんな 体をしている


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