「 決別のとき 」/椎名
 
長雨の後

秋が逝く

冷たい風に背を押され

高くなった青空に見守られ

短過ぎる秋が逝く



別れを惜しむかのように

虫の声

もう少し愛でたいと

せせらぎの音



暑過ぎた夏の思い出が

段々と色褪せていくように

木々の葉が色を変える



深い想いが

胸の中をかけめぐるから

今はここで佇んでいよう

水の音に耳傾けて

虫の声を味わいながら



色づいた葉が全て落ちたなら

そのときが

決別のとき

燃え尽きた想いと

届かなかった想いへの




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