えんちゃんと みずたま/エチカ
ールサイドで私は知ったんだ。
はじかれた水しぶきみたいに
ぱしゃり
と音を立てて、その孤独はわたしにまで波紋を広げた。
みずたまが大好きなえんちゃんを見て
わたしはみずたまってえんちゃんみたいだと そう思った。
たくさんの人の中にいるけど、本当はひとりぼっちなえんちゃん。
誰ともくっつかないで一人ぼっちで笑ってる。
みんなといるから笑っているように見えたけど
本当はぜんぜん笑ってなんかいなかった。
みずたまはまるい
えんちゃんもまるい
みずたまがひとつ
えんちゃんはひとり
孤独で、幸せで、 終わりが怖い。
だからずっと、繰り返す
つめたくて終わらないように
細くて小さな糸をずっとずっと切れないように永遠に。
まあるいみずたま
ずっとずっと続きますように。
そうお願いしながら、水をはじく。
ゆらめいて、途切れて、また現れる。
現実じゃない。
ここじゃない。
そうやって繰り返す
えんちゃんと、みずたまは。
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