平日の青年/番田 
 

黄身の砕けた卵のように


マラソンランナーとして生きるということが辛いのなら
違う選択をすればいいだけなんだ
川に石を投げ込みながら
波動拳や昇竜拳をそこから何度もひねり出しながら
中古ソフト屋の隅っこのほうにつぶやいていた



ゼルダの伝説を買い
スーパーマリオを買い取らせたばかりのビニールの袋が揺れている
小学生たちが今日も沢山中に入ってきて
袋の中のソフトを踏んでは笑いながら踏みつぶしていった
罪の意識はないようで 僕は泣いた
ダルシムの反撃は 別人のようで 僕はまた100円を失った


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