平日の青年/番田 
 

夢の中で何かを思う
私の心は少しだけ幸せなのかもしれない
全くといっていいほどにラジオの読まれないハガキに
夢の中で その声を 耳にした
いつもの定食屋のおじさんは
声をかけてきてくれたから 寂しくなんて無い
ラジオのニュースはもうすでにおしまいの歌
CMでウド音楽事務所主催のコンサートも紹介されて
それはあの 名も知れない ピアニストのコンサートであったりして
彼は江東区の あのマンションに住んでいるんだろうかと
言いしれぬほどである楽しい幻想を 抱きながら
恐ろしく細かく切られたレタスを 噛みちぎった


深夜放送を流れる女子高生の騒ぎを聴きながら
何もかもど
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