木螺子/nonya
自分が木螺子だと気づいたのは
空の水が全部落ちてきたような
凄まじい雷雨が通り過ぎた後だった
公園のブランコの下の水たまりに
たまたま自分の姿を映した僕は
ほんの少しだけ驚いた
でも落胆はしなかった
少し前からうすうす感じていたことだから
僕は頭でっかちで
翼なんか生えていなくて
足は半ば退化していて
移動する時はいつものたうち回って
だから全身が傷だらけで
そんな事ぐらい気がついていたから
いまさら何処の工事現場から落ちて来たのか
考えても仕方のない事だった
ある日偶然にも
誰かの靴底に弾かれて
僕は地面に突き刺さった
頭をわずかに東
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