手紙猫/
うずら豆
賑やかな下町のポストの下で
猫がちょこんと座っている
薄汚れた野良猫だが
きっと手紙が無事届くよう
見守っているつもりかな
僕の手紙もあの娘に届け
猫は僕がポストに投函するのを
くりんとした目で眺めてた
それから天を仰いで
ニャーと一声鳴いた
きっとそれが猫なりの
魔術をかけるやり方なんだろう
やがて猫はあくびひとつして
路地の方に去っていった
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