そんなに長い眠りじゃなくてもいい/ホロウ・シカエルボク
 




冷えた血は黒いのだ
おれの凍結した暗がりにしがみつく、名も知らぬ男の死にざま、光のない時間の、光のない死にざま…残されたものの中におまえの真意を探した、しかし
そこにあるものはおぼつかない足どりとはやい呼吸のみで…
おまえが決して見ることの出来ない、おまえについて書かれた言葉たち、回線のなかでこんがらがって…
おまえの呼吸がつまるときの音、すべての弛緩のあとに流れ出るものの音、隠された顔、明けてゆく空…


冷えた血は黒いのだ
いまは、自ら絶たずともおまえのような誰かがそれを教えてくれる、たったいちどの思いを、抱いて…
わかるか、いくつもの文節がおまえについて話し
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