中編小説 文芸誌ジョイントオーナーシップ・スペース 作 丸山 雅史/時間が蕩けるアインシュタイン
 
のように、体が絶望で満たされ、ちゃぷんちゃぷんと音がしそうな程だった。無意識に絶え間なく涙が溢れ、じりじりとその純白さの中心に、光を当てて穴を開けようとしていた。その代わりに、心の表面だけ、体温並みに暖かくなり、それで肩を震わせながら涙している君を毛布のように包んであげたかった。僕は初めて君の手を握り、ただ黙って君を平静に戻るのをじっと待っているしかなかった。それは同時に、僕の心のそれを?得る為の?行いだったかもしれない。

 どの位の時間が過ぎただろう。急に瞼が重くなってきたので、力の限り頭を振って、眠気を吹き飛ばそうとしたが、すぐにそれが全身に毒のように回り始めて、断続的に意識を失った。君
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