中編小説 文芸誌ジョイントオーナーシップ・スペース 作 丸山 雅史/時間が蕩けるアインシュタイン
 
た天使のように飛ぶように帰ってきたということだけだ。自宅には誰もいなかった。郵便受けから夕刊を引き抜き、居間で広げると同時にTVをリモコンで電源を入れ、片っ端から番組を変えていくと、どの局も君の報道をしていた。僕は鮮明な現実を叩きつけられ、眼球がそれに圧迫されていた。

?自宅マンションにて父親を殺害?

 空回りする心のむず痒さに耐えきれず、僕は階段を上がって、自分の部屋に入り、パソコンの電源を入れ、インターネットにすぐ繋いでみた。するとトップページのニュースの欄には、君が父親を殺害し逮捕されたことが載っていた。これ程の量の情報を突き付けられたのに僕にはまだ信じられなかった。日本一巨大な
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