中編小説 文芸誌ジョイントオーナーシップ・スペース 作 丸山 雅史/時間が蕩けるアインシュタイン
 
ように尊敬や称賛的なものに変わり、僕はそれら一連全て読むと、高揚感や安堵感とともに、人の気持ちの変化の早さと無責任さに軽蔑の念を抱いた。しかし、僕だって君に失望していたことを思い出すと、自分が情けなく、恥ずかしくなった。
 大学でもちらほら君の噂を耳にした。かなりの間授業を休んでいたので留年も覚悟していたが、教授に訊いてみると、今後休まずに出席すれば、問題はない、ということだった。その日は夜遅くまで学校にいたが、休み時間の時は必ずワンセグやインターネットで君の報道を逐一確認していた。僕は君に関するニュースも、巨大掲示板の書き込みも、全てチェックしていた。昼食の時間頃だっただろうか、ニュース番組の
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