田舎のスーパーマーケット/豊島ケイトウ
いつの日か漂着しなければならない比喩を
前もって鑑賞されていない博物館が生み出された由は
ある地層に転換して僕達の無知だと言える
いらないいらないそんなゴミより
確かに愛せる媒体を確保してくれ今すぐ
僕は君をいだきたくなんかなくて
もっと罵り合う卵を孵化させてしまおうと企てる
憐れなしかし聡明なカモメ紳士の気は確かだと思うが
とはいえ一体誰がなんの標榜でこの世界をセックス的堕落へ
導いているのかそれは紛れもない君だろ
君の醜くてよだれまみれのそれから赤黒い嗚咽が聞こえる
僕達は眼を背けることをしない代わりに自己韜晦を繰り返し
続けていくのであるどかどかと
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