すべてに名前を与えるなら/遠藤杏
 
滑稽な姿ばかり写しては取って夜の中
などもう恐れることはないとそう言っては
話を続けることができない時間の真ん中

思うことは
針のように細い光の角度を
何度も見つけては消え
掴んでは投げて
一体言葉の先端はどこにあるのだろう

一滴だけ
シロップを飲んだら
血管の
隅々まで染みていった
色の混ざりあうところ
力が分散する瞬間重なって散らばった

3分後

触ってみる触覚の先
ビニールの空気
風を吸って
不可解な動きでゆらゆら吸い込まれて

もう一度
言いたいことがあったような気がするんだけど
それを噛み砕いて
飲み込んだそれを
わたしは何と呼んだらいいだろう
名前をつけてあげる


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