地/一 二
 
始めにして初めての物語
遥かなる物語
失われた神の物語

天から一人の男が
吊るされていた

男は守護者で在った
叛逆者で在った
破壊者で在った
造物者で在った

男は翼を失った者
男は神であることを失った者
男は天の罪人

男は叫ぶ
「世界は黒い、とても黒い
黒々とした地獄の果てだ」
吊るされた男は地を見つめる
男の視線が大地を裂き
そこから血を溢れ出させた
男の目はいつしか
黒々と大地の色に染まっていく
そして無窮の刻が流れた

いつしか在る刻
幼い娘が天を見上げて
こう呟いた
「まあ、お空から神様が
わたしを見ているわ」
男はその
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