開けられたまんまの扉/くなきみ
 
目を見たら本当にわかるのですか
私のことがわかるというのですか
彼は当たり前だと言わんばかりに
私の目を見てそして目の中にまで
遠慮なしに入りこんでくるのです
私の中の扉を乱暴に開けるのです
そして何がおかしいのか笑い出し
逆に私は悲しくなっていくのです
彼はだんだん適当な視線になって
私の中をひっくり返したまんまで
外に出て私に慰めを言うのだけで
わかったふりの顔を見せつけます
慰めの言葉はもう聞き飽きるほど
何度も聞いたことのある言葉です
つまり私はそういう人間なんだと
思うしかないのでしょうが何だか
彼の得意げな表情が忘れられない
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