深夜 真昼/
木立 悟
かる見えない腕
動かない猫
動かない曇
白が白を巡る
軸なき軸に
露光は満ちる
道の両側に
古く小さな映画館がつらなる
道には誰もいない
映画が終わるまで
出てこないのだろうか
明るい 誰もいない
明るい
消えかけた灯と灯
はざまのこだま
暗がりの針と指
終わりのような
夢のような
ふたつの白
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