降り立つ / ****'03/小野 一縷
ら
伸びてくる 鼓動が
少しばかり 慌てさせるけど
何色でもいいよ とにかく どっかの 真ん中で
時計の針が いつだって 気違いじみた 正確さで 回ってるから
こちこちと 鳴ってる音は ただの
溶け合った 街と飛行機雲
溶け合った 視線と話し声
溶け合った 排気音と信号機
溶け出した カラスとチャイム
溶け出した 夕陽と電車
溶け出した 道程と歩数
降り立つ
名も無い通りの 日常の真ん中に
突っ立って 明日でも昨日でもない
今を刻む 秒針に 影として重なる為に
この鼓動を聞いて おやすみ
「ぼくの影が時を刻む 真白い道は永遠だったよ」
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