歌と句/生田 稔
歌と句
みんな歌と句を作る私も沢山青い空低い雲
太陽が斜めから私を直射している
2百10円で2杯の紅茶が飲める懐中4百円
目前の高速を何台も車が広い窓いつもの喫茶
大きい宇宙岡の見える小さい坂本
神様もやはり一人ぼっちという皆同じさ
空間というものが解くことのできないアポリアで今も同じ
琵琶湖があっただけで私の幸福二倍
もう書くことができない極小極大などとふと
ざっと書いて現フォの影響絶大
七五歳というのに心にロマンスがもうそれとも別れたいのに
合理的だと思うこの世界ある人の言う不思議
鳥の巣など無視する人間けなげな鳥たち
もうすぐ寒い冬が残っている温い一日
妻を理解できない人間を理解できない
英訳詩篇を読む声低くそばに人があっ恥ずかしい
十一時オレンジの日光気づけば眼鏡に色が
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