人格スケッチ「偽善者」に見る「飽き性」/光井 新
嘘を重ねて生きて来ました。善かれと思い、騙し騙し今日迄来ました。
世の中には泥棒という悪人が居る事を教えられるずっと前から、悪とは何かを自問自答していたのが始まりです。あの頃の私は純粋に、他人を幸せにしたいと思っていました。また、それが簡単に実現できる事だと、その術である優しさというのは単純な物だと、短絡的に考えていました。まず私は、浅い人生経験の中から、自分が他人に幸せを与えられたと直感した時の状況を思い出してみては、それは他人に優しくされた時だったという共通点を見付け出し、自分が他人に優しくする事で他人を幸せにできるのではないかという一つの仮説を導き出していました。衣食住の苦労など知らな
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