バケモノ/逆鱗社長
孤独という化け物は
僕を食べて不細工に太った
見下す先は真っ暗で
酷くて寒くて虚しくなる
転ばぬ先の杖とは良く言ったもので
もう既に転んだ僕は
杖があっても立ち上がれない
人のふりをする孤独は
今にも剥がれそうな皮を押さえて
いつも僕を見張っている
ヤツは僕の視覚から侵入して
脳みそをかき混ぜる
頭のネジがとれた僕には
全てがアイツに見える
化け物はラジオの向こう側にも居る
笑いながら声を掛けてくる返事はするな
受け入れちまえばもう
目の前は入口
いくら逃げても
いくら速く走ったって
出られない
行き止まりはないのに
出口はない
化けの皮は剥がれない
戻る 編 削 Point(0)