殉教/吉岡ペペロ
 
689年まえのぼくの誕生日

その三人は殉教した

ぼくはそのうちの一人の生まれ変わりだ

だからその信仰には

まるで興味が湧かないのだ


絶対なものなどないことが

すべては相対のなかにあることが

根もとをきらなきゃおなじことなんだ

ぼくはいちど死んだからそれがわかる

花を咲かせても意味はない

花は実となり種を散らし・・・

すべては相対のなかにあるのだ


689年まえのぼくの誕生日

その三人は殉教した

ぼくはそのうちの一人の生まれ変わりだ

だからその信仰には

まるで興味が湧かないのだ


戻る   Point(1)