十一月のカーペンターズ/吉岡ペペロ
 
十一月の凛とした

午前のひかり、風、匂いのない匂い

カーテン越しでさえ

きみの部屋を充たしている

カーペンターズが流れている


ノンビブラート

体温を超えることのない温度

希望しかないさびしさ

ぼくらはなにをまもるだろう

テストの成績

いまある家族

仕事、宗教、健康?



気持ち

菊の花のように

匂いのない肉厚な花ならば

ぼくは信じられそうだ


十一月の凛とした

午前のひかり、風、匂いのない匂い

カーテン越しでさえ

きみの部屋を充たしている

カーペンターズが流れている





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