不幸な女/アラガイs
水は瓶を零れ白い指先をつたう
冷たい大理石/泉の奥底に
褸褸と血はうすくながれ落ちた
女は腰に蛇を巻きつけ、小脇に山羊を抱えこむ
秘部を隠す羊歯の葉はかたく
その陰部を突き刺した
呪われた血の稜線
吐いては
また子宮へと押し戻す
春遠き蠢動
二つに結い契る蜜月の誓い
不幸な女は絡まる淫の蔓に泣く
吠える戦車の筒先に煙る
屈んではその陰に身を潜め
降り注ぐ鉄の霰のなかを潜り抜ける
藁を敷き詰め
布目を編むように
あてもない寝床をさすらう折り紙の人
ただひたすら
鞄に詰めた夜露を噛みちぎる
髪は女を食い尽くし
振り
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