魔法少女についての断章 1/真島正人
 
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一晩中、街を歩き回り、疲れ果ててしまった。
ずっと昔、もっと子供だったころ、高校生のころに、深い憤りを抱えて、幾駅分も歩いたときのように。
あのころは、答えを必要としなかったが、今は答えを持ってながら、答えを得ながらも、その先の手法がわからない。

気がついたら、深夜のバスターミナルまで来ていた。
大阪行きの深夜バスが、出発しようとしていた。
俺はそれに飛び乗った。
どうしてだか理由もわからず、なんとはなく。

やがてバスは停車する。
見知らぬ街の、まだ夜の帳に眠るさまの中に投げ出される。
そこではいまだ、すべてが眠っている。

俺は、その町のバスターミナルの
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