冬と息/
木立 悟
ている
緑のなかの
見えない波
沈む溝
銀の溝
白い輪のふちに手をかけ
輪の向こうを見ている
早すぎる朝昼夜
常に霧を吹く羽
囁き声がいつか離れ
振り返ると曇が来ている
遠い水 人の外
さらに雨 さらに冬
風のない朝が
窓に映る
曇を飛ばし
景を飛ばし
応えるものへ青を返す
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