『静かな川べりで』/Leaf
 
ほったらかしたら傷んでしまうような滲んだ景色を

向こう岸に視た

現身の至らない面影が透けた昼下がりに

プカプカプカと浮かび佇めば

時折現る荒げた感情を鷲掴みにされた放心に見舞われ

どっちつかずな流離いびとに一方通行な想いを焦がし

懐かしの活気に湧いた朝市なんかを思い浮かべては

はたと消しかかり

盲進し罅割れた痕跡を指でなぞってみたりする

焦燥と怠惰の狭間に生きて

どこに漂着するのかと揺蕩う

その表層に浮遊するが故に何度も夢を見る

静かな川べりで

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