ハイド・パークから少し離れて/天野茂典
 

   オアシスのように飲んでいる
   一体になって
   酔っている
   孔雀のように羽をひろげながら
   男たちはもう暮れてしまったハイド・パークの
   酸素の舌で
   時代を味わい
   時代を飲んで
   さまざまに酔っ払い
   さまざまにおもいでをひっさげて
   やがてはこの深夜のパブから
   それぞれの森へ帰ってゆくのだろう
   明るいパブよ
   もういっぱいひっかけけて
   日本人二人のパブを
   もうコウモリ傘になっちゃって
   たんぽぽの穂のように
   ふわり浮きながら
   パブの扉をしめたのだった

   


               2004・10・23
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