檸檬少年と優しい涙/
千月 話子
の視覚、夏の香り
仄かに感じて幸せな気持ちになるよ。」
と 言葉にできるから
壊れて灯りの点かない灯台に
檸檬少年
今は冬の荒波
揺れる船を導いている
夏の光りに似た眩しい腕を振りながら
迷える船人の心を鎮める
レモンスカッシュの香りを放ち続けて・・・
世界中の人々に愛されて
嬉しいと 涙を流す檸檬少年
溢れて零れ落ちる水は
優しい 酸味
紅茶に垂らした幸福は
ゆらゆら溶ける 黄金色
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