砂浜にて/番田 
 
げられている
空想と日常の間に板挟みにされ 
家に帰ろう



あの犬の吠える場所が見えるだろうか
ボンネットの向こうにはいつも見えた
そこで 私は海をひとり見ていた
そこに私の行ける場所などないと 悲観しながら
何も言葉について 私は私の考えない
車を遠くの丘に向け 私は飛ばした
砂地は波を含んでいた
白い砂を手に握りしめながら
見える 遠い島の砂浜で
煙草をアクセルを踏んで吹かしながら 
あの鳥の飛び交う場所が見えるだろうか
黄色い砂地を口の中に含んで
人が 山が 雲が  
犬が イルカが 子供が  
途方に暮れている
自分の出番はいつになると
色々なトランプのカードを持っている
どこまでもアクセルを踏んで行こうと思っていた
いくつもボンネットの向こうに見えた
遠い外国に黄色い砂地は憧れた
手にしたいくつかのサイコロを振って
海はいつもそこに輝いていた


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