麻薬/一 二
 
黄土色に青ざめた手が
黄昏の先の深淵を予感する
黒き幻想の訪れに
我が胸は戦き震える

白き衣のヒポクラテスも
ナイチンゲールの囀りも
何の慰めになろうか
空疎な言葉は
ただベッドの上を流れていくばかり

灰色の来客
財産の法律論
乾いた単語の羅列
死んだ言葉
ただただ苦痛は増大する

「おにーさんっ!」
彼女の顔を見た瞬間
眉間の皺は吹き飛んだ
すらりとした身体付きの
小さく美しい人
私の愛する人
「来てくれたんだね、ありがとう」
彼女が照れくさそうに微笑み
私の胸は一杯になる
子供特有の純潔に間延びした
舌足らずな口調
それは私にとって最
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