ある日の画家/番田 
 
雪の降る日は 筆を 震える掌で 握り続け
ビニールコートを 雨の降る日は つけている
多分 私は投げやりだったのだ 
へたくそだったのだ 私は きっと

橋の風景が遠くには見えた
ドラマのあの頃の風景に憧れた

思えば環境汚染の影響を考慮すべきだった
絵の具を川に投げ込んだコイの餌にして笑う

ニュースを見た
亀のような 捨てられた 寂しい目をして
まともな生活を明日こそしたいものだと
ビールを飲んだ



今日も一人で 私の何もしていない 夜に
緑が庭には 
広がった 家の居間には  
風景として いつでも 見られるようにする
揺れていた 風として 
色々な絵を そこに描いて
一人で絵を描いて 過ごしている
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