ある日の画家/番田
雪の降る日は 筆を 震える掌で 握り続け
ビニールコートを 雨の降る日は つけている
多分 私は投げやりだったのだ
へたくそだったのだ 私は きっと
橋の風景が遠くには見えた
ドラマのあの頃の風景に憧れた
思えば環境汚染の影響を考慮すべきだった
絵の具を川に投げ込んだコイの餌にして笑う
ニュースを見た
亀のような 捨てられた 寂しい目をして
まともな生活を明日こそしたいものだと
ビールを飲んだ
*
今日も一人で 私の何もしていない 夜に
緑が庭には
広がった 家の居間には
風景として いつでも 見られるようにする
揺れていた 風として
色々な絵を そこに描いて
一人で絵を描いて 過ごしている
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