立つ影/番田
川は 何も知らない顔で流れて行く
川の流れは人を通過することしか知らないのだろう
私は いつまでも人を見ていたのだろう
私は青い顔をしたままで
波はどこに寄せては返すのだろう
見るのだろう
色とりどりの 波を
海は どこにあるのだろう
私は 車のシートに
海は
ぼんやりと流れる風景の いつまでも見つめる
霧の向こうに
今日も何もかも疲れ果てさせられていたような気分だった
私は 今日も何もかも勝手にすればいいと思った
人の流れを 見させられていた
それは人の流れだった
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