ドミトリーの裏がわで/番田 
 

今日も仕事に思いすら無くている男は何をすればいいのかと人にたずねていた。見えたいろいろなものをがつがつと食べていた。近くのハンバーガーショップで肉を買いだめし、男はテーブルに並んでいた肉などを食べては始まるその寂しい日常に一人で相づちを打っていたのだった。見上げたテレビ画面には瀬名と南が出ていた。窓にはドラゴンクエストで見たことのある巨大なモンスターが走り回っていて、マンションの窓には新大橋の夜景が広がり男は布団を押し入れから出した。四畳半にバッとそれを広げた。ベッドから滑り降りるとフランス人らしい女の子が「メルシー」とか言いあっている。炊飯ジャーの中にといだばかりの米を投入すると、オートバイ
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