音のない洞窟/
吉岡ペペロ
シミとさいご夜を歩いたときヨシミが歌ってくれた歌を思い出していた
オレさ、あの子連れ出して、いっしょに歌歌いながら、坂道みたいなとこ行進してやりたくなったんだ、
なんの歌?
カントリーロード、
そんな曲あるんだ、あたしも混ぜてよ、
今からもどるか、
シンゴはそう言ってから軽口をたたいたじぶんを暗く見つめた
アヤコもそれに気づいたのか会社に戻るまでのあいだふたりは一言も発しなかった
戻る
編
削
Point
(1)