日常の渋滞/A道化
間に違いないだからこのまま仕事も車も携帯電話も何もかもから抜け出して、
例えば、海に行きたい、砂浜ではなく、港。現実逃避? かもしれない、けれどひとつの現実を抜けてああ海の在る現実へ。
ある家電量販店が閉店セールをやっていて、突然交通整理をするガードマンに私の車は遮られ、彼は何か言っている、真っ直ぐ行きますか?
それともこの店に入りますか、と、そういうことなのだろう。いつもなら駐車場に入る車の列など出来ない店なのだけれども、今日は閉店セール、交通整理が必要なのだ。
あ、はい。
そう答えるとすんなりそのまま通してくれ、数秒後、渋滞を抜けたと気がつく、原因はその家電量販店だったと気がつく。私は呪詛の言葉を吐く。救いを求める祈りのような言葉と、交互に、吐く。
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