日常の渋滞/A道化
 
 込んでいるのは駅前だけかと思った。310号線に左折したらすいすいゆく。のだと思った。が、310号線、北へ、車は続いていた。
 永遠に続くような気がした。永遠に続いてくれればと思った。フロントガラス風景、北へ続く車の羅列の背から空にかけて陽炎がぐらぐらしており、その風景だけを見れば、夏、だった。だから車が気だるがっている、そう思って笑おうとした、が、。
 男が歌っている音楽のMDから女が歌っているものに変えた。
 渋滞の最後尾に並ぶまでの速度のあった環境を思い出した、それは駅までの道のカーブ、私はハンドルの円の中に渡ったひとつの引っ掛かりになる部分に左手の中指一本をかけていた、反対車線の向か
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