サッカーボールと地球について/salco
 
まで誰も出られない
フィーゴだって華々しくボールを操りながら
ああして自分の檻に囲まれていたじゃないか
早く家に帰りたい、とか
あと何年現役を張れるのだろう、なんて考えながら

実現させた夢で大金を稼ぎ
世界中を巡ったところで、人生はうんざりものだ
誰一人、台風のように気ままには生きられない
何かを目指し何かを背負い、破滅を恐れながら生きている
その恐怖を忘れる為には何かに没頭せざるを得ないのだ
あるいは日常動作に埋没する事で自己をも慣性化しようとする
この、儚く脆い存在理由を
動作的消耗により強化して安堵を得る心理は
朝な夕な通勤ラッシュに貨物化し企業部品としての機能
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